株主優待投資で実際にやってしまった3つの失敗談~初心者が陥りやすい落とし穴~

株主優待

この記事について

この記事は、専門家による投資解説ではありません。株主優待投資を実際に始めた一個人投資家として、自分自身がやってしまった失敗や、今も解決できていない悩みを正直にお伝えするものです。これは個人の体験談であり、投資助言ではありません。同じような失敗を避けるための参考にしていただければと思います。

株主優待投資は、配当だけでなく自社製品やサービスなどの優待を受け取れる点が人気の理由です。ただ、始めてみると「思っていたのと違った」と感じる場面も少なくありませんでした。

失敗1:売り時のルールを決めていなかった

優待投資を始めるとき、多くの人が「どの銘柄を買うか」には時間をかけて検討します。しかし意外と見落としがちなのが、「いつ売るか」というルールです。

優待株は配当のように継続的にメリットを受けられる一方で、株価が下落しても「優待がもらえるから」とそのまま持ち続けてしまいがちです。これは、優待目的の場合はある程度合理的な判断とも言えますが、何も基準を決めずに保有していると、いざというときに判断に迷う原因になります。

売却のルールには、たとえば次のような考え方があります。

  • 優待が目当てなので、基本的には売らない
  • 株価があらかじめ決めた水準(例:購入価格の○○%以下)まで下落したら売却を検討する
  • 急に現金が必要になったときに、保有株の中から売却を検討する

筆者がこのルールの必要性に気づいたのは、実際にいくつかの場面で迷いを経験したからです。たとえば、株価が上がったときに「ここで売るべきか、それとも優待目的だから持ち続けるべきか」と悩んだことがありました。また、保有していた銘柄の優待が廃止になった際にも、「このまま株式だけ持ち続ける意味があるのか」と判断に迷いました。さらに、急にまとまった現金が必要になった場面では、「どの銘柄から手放すべきか」という判断にも頭を悩ませました。こうした場面に直面するたびに、あらかじめルールを決めておけばよかったと感じたのが正直なところです。

筆者自身は基本的に優待目的で株式を保有していたため、優待が廃止になった銘柄以外は売却しないという、ある意味でシンプルなスタンスを取っていました。ただし、まとまった現金が必要になった際には、保有していた優待株を手放したこともあります。振り返ると、これは結果的にルールのようなものになっていましたが、最初から明確に言語化していたわけではなく、後付けで気づいた部分も多くありました。

失敗2:「買ったら忘れる」つもりが、気になってしまう

優待投資を始める前、多くの人(筆者自身も含めて)が「優待が届くまでのんびり保有して、株価は気にしないでおこう」と考えるのではないでしょうか。実際、優待投資の魅力のひとつは、短期的な値動きに一喜一憂せず長期的に保有できることだとよく言われます。

しかし実際に株式を保有してみると、思っていたほど「気にしない」でいるのは簡単ではありませんでした。これは特別な失敗というより、投資初心者の多くが陥りやすい心理的な傾向だと思います。

特に投資を始めた当初は、買った直後から株価が気になって仕方がありませんでした。気づけば1日に数時間おきに株価をチェックしてしまうこともあり、「気にしない」どころか、むしろ普段以上に値動きを追いかけてしまっていたように思います。下がった日には、自分でも驚くほど不安な気持ちになりました。優待目的で長期保有するつもりだったはずなのに、短期的な値動きに一喜一憂してしまう自分がいたことには、正直なところ戸惑いもありました。

保有銘柄が増えるほど、値動きが気になる回数も増えていく感覚がありました。優待目的だからこそ「気にしない」を意識的に心がける必要がある、という点は、始める前には想像していなかった部分です。

失敗3:うまくいったからといって、やり方を変えてしまった

筆者が投資を始めたのは、いわゆるコロナ禍をきっかけとした時期でした。当時は多くの銘柄が底値から回復していくタイミングと重なっていたこともあり、優待目的で始めた運用が結果的にうまくいく形になりました。

ここで正直に告白しなければならないのは、その成功体験から「自分には投資のセンスがあるのかもしれない」と感じてしまったことです。これが、次の失敗につながりました。

普段は優待目的で、最低単元(100株程度)の購入を基本としていましたが、優待目的とは異なる軸、つまり値上がり益を狙う形で、当時のヤフー株式会社(現・LINEヤフー株式会社。2023年10月、Zホールディングスやラインなどとの経営統合により商号変更)の株式を、普段の最低単元を大きく超える1,000株程度購入しました。

この銘柄を選んだ決め手は、ほかの銘柄と比べて割安感があったことでした。購入当時の株価は1株381円で、手が出しやすい水準だったことを覚えています。また、デジタル領域の会社であり、ラインとの統合という大きな動きもあったことから、「今後伸びてほしい」という期待感を持っていたことも、購入を後押しした理由のひとつです。

この判断には、優待目的の投資で培ってきたはずの「長期でじっくり構える」という姿勢とは異なる、やや期待先行の側面が含まれていたように思います。

その後、株価が大きく伸びた時期もありました。ただし現時点(本記事執筆時点)での含み益は、+10%程度にとどまっています。この銘柄は、配当利回りや株主優待が特別手厚いタイプの銘柄ではないため、優待目的の保有とは違い、「利益が出ているうちに確定するかどうか」という判断が常につきまといます。

正直に言うと、これは過去に終わった失敗ではなく、今も解決できていない悩みです。利益確定のタイミングを逃してしまったまま、現在も身動きが取れない状態が続いています。

現在は損失が出ているわけではなく、急いで現金が必要な状況でもないため、ひとまず保有を続けています。今後株価が大きく伸びるようなことがあれば、その時点で利益を確定させたいと考えています。一方で、もし株価が下がってしまった場合に、どのタイミングで売却すべきか、それとも長期的に塩漬けにしてしまうべきか、という点については、今も明確な答えが出せずにいます。

なお、ここで触れているのはあくまで筆者個人が過去に行った判断と、その後の状況についての記述です。今後の株価動向や見通しについて、何か予測や断定をするものではありません。

この経験を通じて感じているのは、投資初心者にとっては、優待目的でコツコツと長期保有していくスタイルが、もっとも安全で、かつ楽しみながら続けられる方法ではないか、ということです。値上がり益を狙う投資には、それはそれで別の知識や判断基準が必要であり、優待投資の延長線上で安易に手を出すべきではなかった、というのが今の率直な感想です。

まとめ:これから始める人へのルール提案

ここまでの失敗を踏まえて、これから株主優待投資を始める方に向けて、いくつかのルール案をまとめます。

  • 購入前に、自分なりの「売却ルール」を簡単でよいので決めておく
  • 「優待が届くまで気にしない」と思っていても、ある程度は値動きが気になるものだと心構えしておく
  • 優待目的の投資がうまくいったとしても、その成功体験をそのまま値上がり益狙いの投資に応用しようとしない
  • 投資の軸(優待目的なのか、値上がり益狙いなのか)が変わるときは、普段とは違う判断基準が必要になることを意識する

株主優待投資は、配当や優待品を楽しみながら、じっくりと資産形成に取り組める投資スタイルだと感じています。一方で、本記事で紹介したような失敗は、特別な人にだけ起こるものではなく、多くの初心者が一度は経験する可能性のあるものだと思います。この記事が、これから優待投資を始める方の参考に少しでもなれば幸いです。

これから始める方へ:証券口座について

ここまで紹介してきたような株主優待投資を始めるには、まず証券口座の開設が必要です。筆者はSBI証券を利用しています。

選んだ理由は、もともとSBI証券の銀行口座(住信SBIネット銀行)を持っていたため、お金の出し入れがスムーズだったことが大きいです。手数料の安さもよく言われるメリットですが、筆者はNISA口座をメインに利用しているため、手数料面の恩恵はあまり実感していません。実際に使ってみての感想としては、アプリの操作画面がわかりやすく、株価のチェックや優待情報の確認がしやすいと感じています(ただし他の証券会社と詳しく比較したわけではないため、あくまで筆者個人の体感です)。

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証券会社にはそれぞれ手数料体系やアプリの使い勝手、取扱商品などに違いがあります。これから始める方は、ご自身に合った証券会社をじっくり比較してから選ぶこともおすすめします。

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