株主優待、はじめてみました。投資の素人が「配当+優待利回り4%」にたどり着くまで

株主優待

はじめに:これは専門家の解説ではなく、一個人投資家の体験談です

この記事は、証券アナリストでも、ファイナンシャルプランナーでもない、ごく普通の会社員(個人投資家)が書いています。投資に関する専門的な知識をお伝えするものではなく、あくまで「私自身が株主優待を始めたきっかけ」と「銘柄を選ぶときに何を基準にしているか」を、実体験ベースで紹介するものです。

先に断っておくと、これは投資の助言ではありません。株価は上がることも下がることもありますし、株主優待制度自体が変更・廃止される可能性もあります。最終的な投資判断は、必ずご自身で情報を集めたうえで行ってください。

それでも、「株主優待 始め方」「株主優待 初心者」と検索してこの記事にたどり着いた方にとって、何かひとつでも参考になる視点があればうれしく思います。

きっかけ:コロナ禍で「投資をした方がいいのかも」と思い始めた

私が投資というものを意識し始めたのは、新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけでした。それまで貯金以外の資産形成をまったく考えてこなかった、完全な投資の素人です。

ちょうどその頃、手元に少し資金の余裕ができたことと、ニュースなどでよく耳にするようになった「NISA」という制度が気になり始めたことが重なりました。具体的に何かを決めていたわけではなく、「漠然と何か投資をしたほうがいいんじゃないか」という、ぼんやりとした思いがあったのを覚えています。

世の中には株式投資(短期売買・長期保有)、投資信託、不動産投資、暗号資産など、さまざまな投資手法があります。その中で私が「株主優待」というスタイルにたどり着いたのは、テレビ番組で株主優待投資家の桐谷さんが紹介されているのを見たのがきっかけでした。優待品を楽しそうに紹介する姿に、株式投資に対して持っていた「怖い」「難しい」というイメージとは違う印象を受けたのです。

また、もともと大きなリスクは取りたくないという考えがあったため、レバレッジ(自己資金以上の取引を行う仕組み)が効きすぎる投資手法は避けたいと思っていました。最悪の場合でも、損失が元手の範囲に収まる投資にしておきたい、という気持ちが強かったことも、株主優待という選択につながっています。

自分の性格を踏まえた投資方針:短期売買はしないと決めた理由

投資を始める前に、自分自身の性格についてよく考えました。私は昔から賭け事や勝負事が好きで、のめり込みやすい性格を自覚していました。勝った負けたに気を取られて、生活そっちのけになってしまう危険性は、自分でも薄々わかっていたことです。

この性格を理解していたからこそ、株価の上下に一喜一憂する短期売買(デイトレードのような手法)には、最初から手を出さないと決めました。

正直に言うと、「優待目的だから株価は気にしない」と頭では決めていたものの、投資を始めた当初は株価の上がった下がったが相当気になっていました。それでも短期売買に手を出さなかったのは、今振り返ると良い判断だったと思っています。自分の性格を考えると、もし短期売買に手を出していたら、間違いなくのめり込んでしまっていたはずです。

そこで選んだのが、優待をもらう権利が確定する日(権利確定日)まで株を保有し続け、株価の変動はできるだけ気にしないという方針です。値上がりも値下がりも一時的なものとして受け止め、「優待を通じて生活が豊かになるかどうか」を判断基準の軸に据えることにしました。もちろん、株価の変動による損失(含み損)が出る可能性は常にありますし、これは万人におすすめできる方法というわけではありません。あくまで、のめり込みやすい自分の性格に合わせて選んだ、ひとつのスタイルです。

銘柄選びの基準:「配当+優待利回り3〜4%」を目安に

銘柄選びにあたって参考にしたのが、株主優待投資の第一人者として知られる桐谷広人さんの考え方です。

桐谷さんは元プロ棋士で、1984年の失恋をきっかけに株式投資を始めたといわれています。現在は1000以上の優待銘柄を保有し、優待品で生活の大部分をまかなうスタイルで知られる、まさに「株主優待名人」と呼ぶにふさわしい方です。

桐谷さんが銘柄選びの基準として繰り返し提唱しているのが、「買い値で計算した配当利回りと株主優待利回りを合計して、4%以上になるかどうか」という考え方です(※具体的な数値は変動するため、最新の情報は各メディアでご確認ください)。

私はこの基準を参考にしつつ、もう少し保守的に「配当+優待利回り3〜4%」を自分なりの目安にしています。利回りが高すぎる銘柄は、その分、株価変動や事業リスクが大きい場合もあるため、無理のない範囲で長く付き合える銘柄を選びたいと考えたためです。

優待の内容については、カタログギフトや金券(QUOカードなど)を中心に選んでいます。理由は大きく2つあります。ひとつは、自分や家族の生活が実際に楽しく豊かになってほしいという想いがあったこと。もうひとつは、妻も一緒に楽しめるものを増やしたかったからです。

実際、優待のおかげで家族の楽しい思い出も増えました。ソフィアホールディングス(6942)の株主優待で届く「キルフェボン」のギフトカードが届いたときは妻が大喜びでした(キルフェボン自体は非上場企業のため、正確にはキルフェボンとは資本関係のないソフィアホールディングスが、協力企業として優待を提供しているものです)。FOOD & LIFE COMPANIES(3563、スシローの運営会社)の優待は寿司好きの長女に大好評ですし、サンリオの優待で届いた入場券を使って、家族でお出かけしたこともありました。梅干しの優待は、梅干し好きの長女がとても喜んでくれました。妻のために始めたつもりが、気づけば子どもが喜ぶ優待も自然と増えていきました。

カタログギフトであれば、その時々で必要なものや欲しいものを選べますし、金券であれば日々の買い物に自然と組み込めます。特定の商品やサービスに限定された優待よりも、生活への汎用性が高い点が、自分たちのライフスタイルに合っていると感じています。

まとめ:これから始めたい初心者の方へ

ここまで、投資未経験だった私が、コロナ禍をきっかけに株主優待投資を始め、自分の性格と向き合いながら「配当+優待利回り3〜4%」という基準にたどり着いた経緯をお伝えしてきました。

幸い、これまで「失敗だった」と感じたことはありません。強いて言うなら、もっと早く始めておけばよかったというのが正直な思いです。ただ、手元の資金に余裕ができてから始めたという点は、結果的に良かったと感じています。生活費を削ってまで無理に始めるものではない、というのが、自分なりに実感していることです。

株主優待投資は、株価の値上がり益を狙う投資とは少し違う角度から、資産形成や生活の豊かさに向き合える方法のひとつだと感じています。ただし、繰り返しになりますが、これはあくまで私個人の体験に基づく一つの考え方であり、投資助言ではありません。株主優待制度は企業の業績や経営判断によって変更・廃止されることもありますし、株価が下落して損失が出る可能性もあります。

これから株主優待を始めてみたいと考えている方は、まず少額・少ない銘柄数から、無理のない資金の範囲で、ご自身の性格やライフスタイルに合った基準を探してみることをおすすめします。

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