インボイス制度、個人事業主から法人化した今、実際どう向き合っているか

個人事業主・開業

2026年3月に個人事業主として活動を始め、この9月には合同会社Knit&Knotとして法人化しました。開業してからずっと「いつかちゃんと決めないといけない」と思いながら先延ばしにしてきたのが、インボイス制度への対応です。この記事は制度の網羅的な解説ではなく、個人事業主だった頃から法人化した今まで、私がこの問題とどう向き合ってきたか(そして、まだ向き合っている最中か)という体験談としてまとめたものです。同じように判断を迷っている方の参考の一つになれば、というくらいの位置づけで読んでいただければと思います。

「当面は免税事業者でいたい」というのが正直な気持ちだった

結論から言うと、私は今のところ、インボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)の登録をしていません。少なくとも当面の2年ほどは免税事業者のままでいたい、というのが個人事業主の頃からの正直な気持ちです。ただし、これは「一生登録しない」という強い意志があるわけではなく、取引先から登録を求められるかどうか次第で状況は変わりうる、という不安定な状態のまま進んでいるのが実情です。

新設法人には「2期は消費税免税」という制度があると知った

法人化を検討する中で知ったのが、新設法人は一定の条件を満たせば設立から2期(2年間)、消費税が免除されるという制度です。条件としては、資本金が1,000万円未満であること、特定新規設立法人に該当しないこと、そして設立1期目の最初の6か月間の課税売上高(または給与等支払額)が1,000万円以下であることなどが挙げられています(出典:新設法人はインボイスを発行できる?課税業者のなり方や消費税免除要件も解説 | 弥生株式会社)。私の場合、規模的にはこの条件に当てはまりそうだったので、「だったらしばらくは免税のままでいいのでは」と考えたのが、当面の方針の出発点でした。

ただし同じ記事に書かれている通り、インボイス発行事業者として登録した場合、この2期免税のメリットは失われ、登録した期から消費税の納税義務が生じます。つまり「新設法人の2年免税」と「インボイス登録」は両立しない制度だと理解しています。免税を優先するか、取引先対応を優先するかという、どちらかを選ぶ話になるわけです。

とはいえ、免税のままだと取引先の負担が増えていく仕組みになっている

もう一つ無視できないのが、免税事業者からの仕入れに対する「経過措置」が段階的に縮小していくという制度です。免税事業者との取引について、買い手側が仕入税額の一定割合をみなし控除できる仕組みがあるのですが、この控除割合は2023年10月〜2026年9月が80%、2026年10月〜2028年9月は70%、以降も2028年10月に50%、2030年10月に30%と段階的に下がり、2031年10月以降は0%になる予定です。もともとは2029年9月で経過措置が終了する予定でしたが、2026年度税制改正で終了時期が2年延長され、この5段階のスケジュールになったとのことです(出典:インボイス制度の経過措置とは?2026年税制改正の変更ポイント・控除割合や特例を解説 | Square、仕入税額控除の経過措置が2年延長!80→70→50→30→0%の新スケジュール | 創業手帳)。つまり、私が免税事業者のままでいる限り、取引先が私との取引で受けられる控除は年々目減りしていくということです。今すぐ何かを強制されているわけではありませんが、「取引先にとっての負担は今後じわじわ増えていく」という事実は、頭の片隅に置いておく必要があると感じています。なお制度改正の詳細は今後も変わる可能性があるため、最新情報は国税庁や税理士に確認することをおすすめします。

登録する側の負担を軽くする制度としては、免税から課税事業者になった小規模事業者向けの「2割特例」(納税額を売上税額の2割に抑えられる制度、2026年9月30日までの日が属する課税期間が対象)や、その後継として個人事業主を対象に2027年・2028年分で予定されている「3割特例」もあるようです(出典:同上)。ただしこれらは制度の細かい適用条件や期間が今後も変わる可能性があり、私自身もまだ完全には把握しきれていないというのが正直なところです。

今の結論は「取引先の反応を見ながらの様子見」

いろいろ調べてはみたものの、今の私の結論は「登録するorしないをまだ決め切っていない、取引先の反応を見ながら判断する」という、あまりスッキリしないものです。判断の軸として今のところ考えているのは、取引先が法人中心か個人中心か、登録を明示的に求められる場面が実際に出てくるか、そして登録した場合の経理負担がどれくらい増えるか、といった点です。法人化したばかりで新設法人の免税メリットもまだ使い切っていない今は、少なくとも当面はこのままの状態で様子を見る、というのが現時点での私の判断です。

まとめ:制度も自分の状況も動いている最中の話として

インボイス制度は経過措置の割合や特例の適用期間が今後も変わっていく制度ですし、私自身の状況(法人化したばかりで取引先との関係もまだ流動的)も動いている最中です。この記事で書いたのはあくまで2026年9月時点での私個人の判断材料であり、事業内容や取引先の構成によって最適な選択は変わってくるはずです。実際にご自身が登録するかどうかを判断される際は、最新の制度内容や自社の状況に照らして、税理士など専門家に相談されることをおすすめします。

※本記事は投資や税務に関する助言を目的としたものではなく、筆者個人の体験に基づく記録です。

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